モルタル外壁のメリットとデメリットについてと塗装方法や劣化症状について
街の屋根やさん明石・神戸店です。
前回サイディングボードのお話をさせて頂きましたが
家の外壁材にはまだまだ種類がございます。
前回の記事⇩⇩
サイディングボード外壁の種類とメンテナンス解説
本日は外壁のモルタルについてです。
モルタルとは
モルタル材は、砂、セメント、水、砂利で混ぜ合わせて作られます。
1980年代までの日本の建物では、主にモルタルが外壁材として利用されていました。
しかし、近年ではサイディングなど他の外壁材が広く普及し、モルタルの使用率は低下しています。
一方で、モルタル外壁はそのデザインの自由度とコーキング不要で防火性の高さなどから、
おしゃれな住宅を求める人々に依然として人気があります。
モルタル外壁のメリット
- デザイン自由度の高さ: 職人が直接壁に塗って仕上げるため、模様や色において非常に自由度が高く、個性的な外観を実現できます。
- 防火性の優れている: 不燃性の素材であり、火事の際にも有毒ガスを発生しにくく、燃えにくい特性があります。
- 通気性が高い: 湿気の多い日本の気候に適しており、通気性が高いことが特長です。
モルタル外壁のデメリット
- 経年劣化によるひび割れや浮きが発生しやすい: 時間の経過とともに外壁にひび割れや浮きが生じやすく、これらの問題に対するメンテナンスが必要です。
- 手作業による施工で工期が長く、人件費が高い: 職人が直接作業を行うため、工期がかかり、人件費が高くつくことがあります。
- 定期的なメンテナンスが必要: ひび割れやはがれなどの問題に対処するため、5~10年ごとに定期的なメンテナンスが欠かせません。
模様仕上げの種類と特徴
モルタルの仕上げ段階において、模様を付ける方法は一般に「模様仕上げ」と呼ばれます。
この模様仕上げは、主に二つの工法に分類されます。
それは、「骨材を吹き付ける工法」と「塗装で仕上げる工法」の二つです。
骨材を吹き付ける工法
この工法では、砂や石、軽量骨材などを塗料と混ぜ、それを吹き付けることで模様を形成します。
代表的な仕上げ方法には、「リシン仕上げ」や「スタッコ仕上げ」などがあります。
リシン仕上げでは、特定のリシン材料を吹きつけ、独特の質感や模様を作り出します。
スタッコ仕上げでは、大理石の粉末や石灰を混ぜたものを吹きつけ、滑らかで上品な仕上がりを実現します。
塗装で仕上げる工法
この工法では、モルタルの表面に特定の塗料を塗布することで模様をつけます。
塗料の選択や塗り方によって多様なデザインが可能で、色使いや質感に個性を出すことができます。
この方法は比較的柔軟であり、様々なデザインの要望に応えることができます。
どちらの工法も、建物の外観やデザインに独自のアクセントを加え、モルタル外壁に特有の美しさを引き立てる役割を果たしています。建築の用途やデザインのコンセプトによって、適した模様仕上げ工法を選択することが重要です。
リシン仕上げ
リシン仕上げは、モルタル外壁の一般的な仕上げ方法で、
セメントに小さな砂利や砂、
樹脂を含む塗料を混ぜてスプレーガンで吹き付けることでざらざらとした質感を作り出します。
表面のデザインをアレンジするためには、
ブラシや尖った道具を使って表面を粗く仕上げる「リシン掻き落とし仕上げ」も可能です。
リシン仕上げは比較的コストが低い反面、
凹凸の隙間に汚れがたまりやすく、
ひび割れが発生しやすいというデメリットがあります。
スタッコ仕上げ
セメントや合成樹脂、骨材を混ぜて作り、スプレーガンで吹き付けたり、コテやローラーで塗ったりします。
リシン仕上げよりも立体的で高級感がありますが、
凹凸が激しくて汚れがたまりやすいというデメリットがあります。
洗浄が必要です。
シリコン塗料や弾性のスタッコを使うことで耐久性を向上させることもできます。
吹き付けタイル
「吹き付けタイル」は、専用機材である「タイルガン」を使って作る、
不規則な模様を持つモルタル外壁のことです。
3回の塗りで仕上げられ、柔らかくひびが入りにくい特徴があります。
表面はつるつるとしており、水を弾きやすい外観です。
仕上げには「凸部処理仕上げ」も行われます。
デメリットとしては、タイルガン使用時に材料が飛散しやすく、
音が気になることがあります。
耐久性向上のためには弾性塗料も利用されています。
左官仕上げ「リシン掻き落とし仕上げ」
左官仕上げの一種に「リシン掻き落とし仕上げ」があります。
カラーモルタルを塗りつけた後、
硬化前にブラシやワイヤーブラシで表面を掻き落とし、
素材の質感を際立たせる手法です。
セメントや骨材の色、掻き落とし方法により様々な表情を生み出し、職人のセンスが光る仕上げ方法です。
経年劣化により、リシン掻き落とし仕上げは渋みや味わいが増し、
汚れが自然な風合いとなります。
また、文字やロゴを作るなど、表現の自由度も高いです。
ただし、手間がかかり、施工費用が高い傾向があります。
ジョリパットなどの左官仕上げ材も利用され、
デザインに合わせて模様を選ぶことができます。
ただし、左官作業の複雑さから仕上がりに差が出る可能性があります。
左官仕上げ「ジョリパット」
ジョリパットとはアイカ工業が提供しているモルタル外壁の仕上げ材で、
粘性があり、モルタルの下地に塗って外壁を形成します。
その耐久性に優れた特徴により、雨水の汚れも付きにくく、色褪せもしにくいです。
柔軟性が高く、建物の動きに追従してひび割れしにくい性質があり、
色やデザインの自由度が高く、施工方法によって表情を変えることができます。
ジョリパットは職人の技術が反映されるので腕の見せどころとなります。
耐久性、防カビ性、防火性にも優れているので、内外装用途で広く使用されています。
モルタルの劣化症状
サイディングボードと同様に
モルタルの外壁も経年すると、いくつかの劣化症状が現れます。
ひび割れやクラック
これは、時間の経過や乾燥、地震、地盤の沈下などが原因で、
雨水が建物に入り込むリスクが高まります。
クラックが放置されると、雨水が建物内に侵入して腐食の原因となります。
チョーキング
経年や紫外線により防水機能が低下し、
壁に触れると手に白い粉がつく現象です。
防水機能の低下により、建物が雨水や湿気に弱くなります。
雨だれ
雨水の通り道となる場所にたまった汚れは、「雨だれ」と呼ばれます。
雨水が流れる際に窓や開口部にたまった汚れが一緒に流れ、
なかなか洗い流せない状態を指します。
塗膜の膨れや剥がれ
塗膜が機能しなくなると、温度変化によって反りや膨脹が生じ、
それが原因で塗膜が剥がれたり膨れたりします。
これにより、建物の外観が損なわれるだけでなく、保護機能も低下します。
苔やカビ
外壁が絶えず湿っていると、苔やカビが発生しやすくなります。
特に陽の光が当たりにくい場所では、これらの症状がより目立ちます。
これらの劣化症状が見られた場合は、
専門の塗装業者に点検を頼んで、
適切な塗装工事を検討することをお考え下さいね。
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